経理・会計の仕事は、むしろ理系の方向けの仕事と言える
学問のカテゴリーとしては、経理・会計は文系になります。これらの学問は社会科学のなかの経営学に属するためです。ただし、経理や会計の勉強をすると分かるのですが、内容としては計算や数学がメインで、ときには会計システムを使ったり、エクセルVBAを使って軽いプログラミングをしたりします。なので、「経理職は理系の分野ではないのか」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
会計・経理業務を続けていると、様々な人が経理業務に携わっていることが分かりますが、理系の人のほうが経理や会計のコンセプトを掴むのが早いですし、もともと分析力や論理思考力があるので、優秀な会計士になる可能性が高いと言えます。
そのため、経理・会計業務は、理系からの転職やキャリアチェンジでもまったく問題ないと言えるでしょう。小さな企業では、ITやシステム開発業務から会計・経理までを全て一人で引き受けている人も多いですし、会計プログラムの開発の予備知識として、簿記3級等を取得する方も多いです。
もともと会計ソフトやエクセルを駆使する仕事なので、むしろバリバリの文系の人よりも、理系に強い人のほうが向いているのではないでしょうか。
- 経理・会計の仕事は、学問のカテゴリー上は文系の分野に入る。しかし、計算や数学的要素が強いことから、実際は理系向けの仕事であると言える。
キャリアアップ・年収アップを望む場合には得策か?
大学院レベルの学歴を持っている理系の方で、専門職に従事していた方は、同じレベルの年収を得られる経理・会計職につくにはかなりの努力が必要かもしれません。システム・IT系出身なら、業務として経理・会計業務との関連性がある場合も多いので、転職としてはスムーズですが、年収は多少減る可能性があります。
技術職・研究職の人で、コミュニケーションスキルに長けた人は、様々な人との取引ややりとりがある仕事でもやっていけるでしょう。例えば、会計事務所・税理士事務所やコンサルティングファームなどです。もちろん、これらの職場は実務経験が重要視されるのですぐに活躍できるとは言えませんが、人当たりよく・説明や人の話を聞くのが上手な人であれば向いていると言えます。
研究肌の人ですと、あまりこれらの人相手のサービス業には向いていない可能性もありますが、経理・会計業務を淡々とこなしたり、業務を時短化するためにエクセルでプログラムを組んだりすることが得意なら適性はありますし、そういったことが苦手な人が多い職場では非常に重宝されると思います。
まずは、自分の得意分野や性格がそのポジションや職場にマッチしているかどうかを検討しましょう。どんなに頭が良くても、基本的には適所適材が仕事の上では最も大事なことです。もちろん、せっかく学んだ専門知識や職歴をムダにしないで、過去の職歴や経験そして学歴などを活かすことができる転職を心がけましょう。
- 職歴を積んだ理系の方の経理・会計の仕事への転職では、同じ水準の待遇を維持するのは難しいケースが多い。しかし、自分の得意分野や性格を判断し、転職先を選べばその限りではない。
本記事は2016/03/28の情報で、内容は経理としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。