人事の採用と教育
大手や上場企業の場合は、人事の業務は細分化されることが多く、数名のチーム体制で総務や経理と合わせて構成されます。
社員数を多く抱える企業では、人事の業務においても作業量や負担が多くなるため、それぞれの業務を分担して社員に任せなければなりません。例えば、採用業務と保険の手続き業務を同じ社員に任せることは負担が大きく避けなければなりません。特に、今後は人材不足の時代となり、優秀な人材の確保が企業の成長に大きく影響します。
今、採用や教育に特化した人事のスペシャリストの需要が高まっています。採用活動や教育訓練をアウトソーシングする企業も増えていますが、それをコントロールするのは社員でなければできません。採用業務に関して実績があり、精通する人材は企業にとって重要です。
また教育においては、外部のセミナーや研修に参加させることで事足りるわけではありません。日常の業務の中で、どうやって成長の機会を作っていくことができるのか、経営者や役員、各部門長との間に入って、モチベーションやスキル向上の施作を実施していきます。
毎年、大勢の採用や教育、または退職と向き合いながら、5年先10年先の成果を目指して、その土台作りを担うという人事ならではのやりがいのある業務になります。
- 採用や教育に特化した人事のスペシャリストの需要が高まっている。
一般事務の能力も求められる
大手や上場企業では、社員数が多いために取り扱うデータや処理業務が膨大になり、作業量が増えることでミスが起きる確率も高くなります。
扱うデータは企業機密や社員の重要なデータです。一つの業務ミスが企業の信頼を失わせたり、社員に迷惑をかける危険性があるため、責任感を持って正確に処理していく能力が求められます。
保険や税金に関わる業務になるため、最低でも「社会保険労務士」の知識は持っていること、またエクセルなどの表計算ソフトを使いこなせること、さらには経理業務と兼ねることもあるために商業簿記3級程度の知識を持っていることが採用の条件になります。
電話や来客対応も必要な場合があるので、爽やかに受け答えのできるコミュニケーション力がある人材が好まれる傾向が強いです。社内の細かなことにも気づき、縁の下で社員を支えるポジションでもあるので、自ら仕事を見つけて気働きのできる人材が向いています。
- 社会保険労務士の知識、商業簿記3級程度の知識、PC操作を持っていることが採用の条件。
人事制度の再構築
企業の大小に関わらず、人事制度の構築は大きな課題となっています。人口減少時代を迎え、企業は限られた労働力を最大限に生かし、国内ではこれまで以上に小さくなる市場でより激しい競争を繰り広げていかなければなりません。
終身雇用制度が見直され、社員の能力をフルに発揮出来る制度として成果主義や能力主義が一般的になりました。しかしながら、その制度も完全ではなく、企業間での人材の引き抜きや、社員の気力や体力が疲弊してくるなどのマイナスの側面も出てきます。
競争関係や市場環境が目まぐるしく変化する中で、組織のあり方や人事制度も一定ではありません。常に制度改革を実施し、経営環境の変化に対応していかなければなりません。
そこには、長年に渡って経営者目線で組織作りに手腕を発揮してきた、人事のベテランが必要になります。企業も自ら変化を受け入れていくために、あえて他の業界や異業種で活躍してきた人事スタッフを招聘したい考えもあります。ただし、キャリアが浅く、また大手企業での実務経験がない人材の場合は、このポジションへの転職は厳しくなります。
- 経営者目線で組織作りをしてきた、人事のベテランが必要とされている。
本記事は2016/03/25の情報で、内容は人事としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。