印刷業界が必要とする校正者
コンピュータが急速に普及・発展し、制作の現場でもほとんどのデータは電磁的な媒体で取り扱われ、校正者にとってもその作業環境はかつてとは隔世の感があります。しかし、いまだ多くの情報媒体は最終的には紙などの印刷物として市場に出ることが一般的であるため、印刷業界では腕のいい校正者を必要としています。
- 「モノ」と直接関わる、技術者としての校正能力
印刷業界の校正では、印刷物として刷り上がった現物をチェックすることも多いため、データ上での作業だけではなく、印刷の特性を理解したいわば技術者としてのスキルが必要となります。多色刷りにおける版ズレや印刷不良、または画像データの過干渉や配色ミス、印刷規格の不一致等々、多岐にわたるチェック項目が要求されます。したがって、文字情報や画像データなどの誤謬を発見するなどの基本的な校正技能に加えて、印刷技術者としての知識や技能を身に付けることが重要となります。
- 印刷自体の知識や技術も必要となるため、校正の中でも高度な作業が要求される分野。
転職の際には、観察眼の有無が評価される
印刷業界の校正者として転職するには、「モノ」である製品の現物をどれだけ的確に観察することができるかという「観察眼」が要求されます。また、各種の印刷方式による特性の違いを理解し、起こりうる品質事故を未然に防止するような指摘も重要な職務となるため、限りなく現場に近い校正者としての立ち回りが期待されます。
他分野からの転職であれば、製造業における実機チェックや動作確認、また品質の目視検査などの経験が高く評価され、印刷物のチェックにも十分応用が可能となります。印刷業界における校正者とは、校正スキルと同時に印刷技術者としての視点も求められる専門職です。
- 製品の現物を観察する力と、印刷技術者としての視点・スキルが求められる。
本記事は2016/03/24の情報で、内容は校正としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。