校正関連の資格・検定は転職に有利?
校正者として転職するために有利な資格としては「校正技能検定」や「校正士」などがあります。いずれも民間資格であり、校正者になるためには有資格者であることが絶対の条件ではありません。ただし上記のような校正専門資格の保持者を優先的に採用する企業や、実務経験がない人材を選抜する際にこれらの資格の有無が有利に働く事例があります。
しかし、もちろん有していることでマイナスになることはありませんが、企業側の人選条件として優先されるのは資格よりもむしろ経験であり、傾向としては有資格者に圧倒的な優位性は認められません。これから校正者として転職したいと考える人にとっては、現状の実力を示す目安となるため、履歴書や職務経歴書に記載するアピールポイントとして役立ちます。
- 校正技能検定や校正士の取得はアピールにはなるが、資格の有無より経験が重視される。
校正の転職に有利な資格・検定試験はある?
- 語学関連の各種検定試験
校正技能のレベルをはかる他に、その他の知識をアピールするものとして各種の検定試験があります。校正の転職に関連するものの一つには「漢字能力検定」があります。校正者は誤字・脱字や適切な表記に配慮する必要があるため、漢字の知識を示す同検定は代表的なアピールポイントとなります。概ね2級以上の保持者が企業から評価される傾向にあります。
また、「英語検定」や「中国語検定」などの語学系検定試験も大きな武器となります。近年ではカタログの多言語展開などで外国語の校正業務に関わる機会も増えており、他言語への知識の有無が作業に大きく影響するためです。外国語として最も多く使用されるのは英語であり、英語検定やTOEIC、TOEFLなどが代表的な指標となります。また、「新・翻訳検定」などの翻訳者としての資格も、日本語と英語との整合性を確認する技能として有効です。
- 校正の通信教育課程の修了なども評価の対象に
資格や検定とは異なりますが、通信教育等で校正者としての基本的な学習課程を修了していることも企業側に評価されます。専門学校などで学習しない限りは校正者としての系統だった教育を受ける機会は少なく、自身で通信教育課程を修了していることは大きなアピールポイントとなります。
- 語学としての日本語への知識も重要
日本語を母国語としない人たちに日本語を教授するのが日本語教師ですが、その専門資格として「日本語教育能力試験」があります。これは語学として系統立てた日本語を教授する能力を問うものであり、校正者にとっても論理的な日本語の知識として有効に働きます。何気なく使っている母国語の言語学的な仕組みや法則を再確認できるという意味でも高く評価されるものの一つです。
- 漢字検定や外国語検定、校正の通信教育受講経験、日本語教師の資格などがアピール材料になることも。
本記事は2016/03/24の情報で、内容は校正としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。