多くの企業から高い評価を受けるエグゼクティブ人材
ある程度の職歴と実務経験があり、マネジメントや管理職の経験もある経理・会計・財務の人材は、転職市場でも人気があります。最近では、そうしたエグゼクティブクラスを対象にした転職サイトを利用する人も多くなっています。
自分の適性年収は実際はもっと高いのではないかと考え、転職も視野にいれて活動を始めている、もしくはすでに数社からスカウトを受けている人もいるかもしれません。
経理・会計・財務の管理職の呼び方は色々あり、「コントローラー」や「マネージャー」「バイス・プレジデント」などがあります。また、「CFO」などの経営陣もこれらのエグゼクティブクラス求人に入ります。ただし、この経営陣とマネージャーレベルの差は大きいものがあり、数字だけしか見られない人と、経営戦略をしっかり立てられる人では、評価が全く違ってきます。ですから、経営陣を目指すのであれば、財務・経営戦略よりの知識もあるとより良いでしょう。
管理職の仕事は、自分なりの目標設定や、目に見える実積や成果を残す事を前提に、全体をまとめ、人材の育成にも注視しなければなりません。マネージャーの力量によっては、組織の士気を高めることも、またはそれぞれのスタッフの能力を適所適材により最大限に活かすこともできるでしょう。
優れた人材は、業種などを超えて活躍できますので、エグゼグティブレベルの人の他業種への転職、または同業種のヘッドハンティングが起こりやすい状況にもなっています。それだけ能力のある人材は、人気が集中する傾向にあります。
- 経理・会計・財務の分野で豊富な実績があり、さらにマネジメントの経験もある方は、エグゼクティブ人材として重宝されている。また、管理職ではなくCFOなどの経営陣を目指すのであれば、財務や経営戦略よりの深い知識も必要になってくる。
メリット・デメリットやキャリアゴールを考えて賢い転職を
転職市場で自分を高く評価する企業にスカウトやヘッドハンティングをされるのは悪い気はしませんし、破格の条件で採用されるのなら断る理由など見つからないかもしれません。しかし、実際にその業務を遂行する能力があったとしても、今以上の激務になったり、責任を負うことになったり、より多くのプレッシャーやストレスを抱えることになるかもしれません。
仕事での成功も魅力ではありますが、それによって失うもの、つまり転職によるメリットやデメリットも冷静に考えて転職活動をしましょう。年収が増え、名声を手に入れることになっても、家族とのコミュニケーションや私生活を完全に犠牲にするようでは、自分が本当に欲しい未来図は手に入らないこともあるでしょう。
仕事と私生活のバランスが取れて、また自分の能力やキャリアゴールにあった転職先が見つかれば、タイミングを見計らって転職するのも悪くはありません。ただその時が来ていないのに高給、有名企業だからと焦って転職するのは失敗のもとです。
「転職が当たり前」「年収アップが当たり前」の時代になったからこそ、転職はとくに注意深くなる必要があります。好条件の裏にはなにか問題があるかもしれず、すべてが手放しで喜べる職場ではないかもしれません。
せっかく今まで築いた現職のポジションも大事なもの。転職の前には、現職の良さもしっかりと認識し、客観的な判断をすべきでしょう。転職した先輩やもと同僚や学生時代からの友人、後輩などの意見を聞き、注意深く将来の転職や身の処し方を考えるべきでしょう。能力があるからこそ、慎重に、そして実力を過信せずに毎日の業務を堅実に、そしてしっかりと行っていくべきでしょう。
昇進やポジションが頭打ちになったり、上司が変わって働きづらくなったりして、おのずと環境を変えたほうが良いというシグナルがあることがあります。このような、「転職のベストタイミング」というものが必ずありますから、焦って決めることは全くありません。その時が来たら、動けばいいのです。
- 給与面などの条件がただ良いからと転職してしまうのは良くない。メリット・デメリット、現在自分が置かれているポジションなどを客観的に考え、最終決断をすることがエグゼクティブクラスの転職では大切。焦らずとも、転職のベストタイミングはやってくることが多い。
本記事は2016/03/18の情報で、内容は経理としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。