外資系の採用基準シリーズ2「人間性・人間関係面に問題がないか?」

ライター:又村紘

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 外資系の採用基準シリーズ2回目は「グローバルビジネス遂行のためのコミュニケーション能力(人間性及び人間関係能力)」についてご説明いたします。特にマネジャー職位、エグゼクティブ職位を志望する方は必見です。

 

 外資採用判断基準第1回目は「英語でビジネスができるか?」(コチラ)についてご説明いたしましたが、前回の記事をお読みでない方是非併せてご参考下さい。

 

外資では人間性・人間関係力がかなり重視される

 まず外資の採用は新卒採用もありますが、中小規模の外資の採用は中途採用が中心になります。その結果、外資に入社しますと、そこには多様な経験を持った社員、いろいろな国籍を持った社員等、日本人でも個性の豊かな男女社員が、それぞれの担当職務を明確に割り当てられて業務を遂行しています。

 

 しかしながら業務遂行のためには、いろいろな関係部門の多様な社員や幹部の理解協力を得なければ良い結果は出せません。この意味で、多様な人種・多様な人間性の中で、スムーズに業務を遂行していく人間性と人間関係能力がかなり重要な要素になってきます。これは日系企業でももちろん言えることです。

 

外資の組織は「個人」と「職務」が基本単位

 人間関係能力の基本は、日本企業の中で求められる人間関係能力とは基本的な点では変わりませんが、異なる点は、年齢、性別、学歴、国籍、宗教等に関して基本的には意識せず、あくまでも個人としての関係になることです。

 

<※>私が勤務していた外資系企業での体験談

 

 会社にもよりますが私が属しておりました外資では、全員が「さんづけ」で呼ぶ風土で、役職で呼ばずに社長に対しても「〜さん」と呼んでいました。ネームプレートにも「部長」とか「課長」とかのタイトルはついていませんでした。自由な雰囲気でしたが、ネームプレートにあるのは名前と写真だけでしたので、どこで何をしてどんな責任を持っている人か、ネームプレートでは皆目わからず、組織図を見て、どのポジションで何をしている人かを理解して業務を遂行していました。上下関係は席の配置等でわかるようになっていました。考え方の基本として、「個人」単位で与えられた「職務」を執行する「個人」の集合体と考えればわかりやすいかもしれません。

 

 専門性の高い「個人」が組織の中の割り当てられた「職務」を執行する責任者であると考えると、いかに組織の中での「個人」としての人間関係が重要かということがお分かりになるかと思います。そこには「偉い人。。。」というような身分で判断するような風土はなかったのです。あくまでも野球とかサッカーのポジションと同じような「ポジション」なのです。

 

 

人間関係能力が高い=仕事がスムーズに進む

 従って、業務を遂行する際には、組織図、配置図をよく見て、その時の問題解決の作戦を練り、関係各所のその「職務」の責任を持った「個人」の理解承認を得ながら自主的に職務を遂行していく必要が発生してきます。特に外資では自己に与えられた「職務」に関しては、その「職務」についている社員の責任が明確であるため、関係する社員に自分自身がコンタクトして結果を出していくことになります。そのために企業内での人間をよく知っていて、かつ出来る限り多くの社員を個人としてよく認識してより良い人間関係を築いておけば、自分の依頼事項を比較的スムーズに遂行していくことができるわけです。

 

 小さい会社であれば、全社員を早めに熟知し、良好な人間関係を築ければ、その後の業務は早く、確実に達成でき業績が上がることになります。企業にとってもそのような社員は好ましい社員になりますし、また営業等の部門に配属されれば、なおさら人間関係能力の高い社員は、営業実績が上がる社員になるわけです。要するに日本企業、外資のどちらの前歴でも人間関係能力が高い候補者であったかどうかを判断することは、面接官に取っても一番重要な判断基準になるわけです。

 

 実際に日本に上陸して間もない外資では、ほとんどの社員が数年以内に採用されて寄せ集めの構成というケースが結構あり、人間関係のトラブルの発生するケースが多々あります。どんなに個性の強い集団でも人間関係をうまくやっていく能力は非常に重要な要素になります。前歴あるいは現在所属している会社で上司、同僚、部下、そして顧客とトラブルがなかったかは、まず第一に重要な判断基準です。

 

人間性に問題がないかが面接でチェックされる

 人間関係の問題が発生する理由に、それぞれの社員の人間性の問題があります。例えば下記のような行動や言動をするタイプは問題が発生しやすいと考えられ、採用では不合格になる可能性があります。なぜならばこれらの特徴を持つ社員を一度採用した場合、入社後に改善することはほぼ不可能と考えられるからで、問題を抱え込むことになるのが明らかだからです。

 

<※>面接不合格になりやすい人間性・行動・言動

 

  • 暗い
  • 人の話を聞かない
  • 怒りっぽい
  • 感情的
  • 約束を守らない
  • 裏表がある
  • 意思がはっきりしない
  • 決断力がない
  • 積極的でない
  • 常に否定的である
  • 動かない
  • まとめようとしない
  • 話がくどい
  • はっきり話さない
  • 威張っている
  • 忘れっぽい

 

 

この記事のまとめ

 今回は「外資面接採用判断基準」その3「人間性、人間関係面に問題がないか?」についてご説明させていただきました。

 

 人間性・人間関係能力は日本企業、外資に関係なく組織の中で業務をするための必須条件で非常に重要な要素です。外資への転職で失敗する要因の中でかなり上位になる要素と考えます。外資攻略法としてぜひこの点をよく考えて、改善点を明確にし転職活動をすると、内定の確率は高まると思います。

 

 次回は「グローバルビジネスでコミュニケーションができるか?」についてです。是非ご期待下さい。

 

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ライター

又村紘人事管理職歴20年のキャリアで自身の書籍も多数

元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ

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現在:有限会社ヒューマンマネジメント研究所 代表取締役社長

経歴:日本アイビーエムに在籍中本社採用センター統括責任者として数千人の採用を指揮、全数確保の原動力になる。その後スカウトされ BMWジャパン初代人事部長(ドイツ)、日本サンマイクロシステムズ取締役総務本部長(アメリカ)、エアーリキード(株)人材部長(フランス)デル ジャパン 初代人事ディレクター等を歴任採用の最終責任者として活躍。その後世界に通用するビジネスパーソン育成を目標に特にディベート、プレゼンテーション、会議術、リーダーシップ、マネジメント能力強化研修講師としての活動に20年ほど従事、参加者は数万人を超え、現在も現役で活動中。自身のグローバル企業における人事管理職としての多様な経験と自身の転職キャリア形成体験,様々な企業での研修講師としての体験からできる限り現場に近いアドバイスを目標に転職成功のためのコラムを提供する。

(著書

敵を味方に変える人間術 (東洋経済新報社)

人生リエンジニアリングのすすめ(日新報道)

男の知的武装術(太陽企画出版)

転機を飛躍に変える70の法則(講談社)

英会話この順番でやればムリなく話せる(三笠書房)

究極の自己アピール術『あぼひなまの法則』(日新報道)

(訳書

願望は必ず達成できる。ロバート・シュラー著(PHP研究所)

成功の時は今(日本教文社)ジャック・アディントン著

人生が面白くなる心理学(日本教文社)ジャック・アディントン

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