元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ5

ライター:又村紘

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 前回までの記事で以下についてご説明させて頂きました。

 

 今回はシリーズ5「積極可能思考を身につけ絶対に合格するという信念を持つこと」についてご説明させていただきます。

 

面接は「最初の五秒」

 シリーズ5ではじめにご理解頂きたいことは、やはり面接は「最初の五秒」でほぼ決まるということです。第一印象で9割以上が決まるのです。人は面接でなくとも、どんな時でもほぼ一瞬で相手を判断するという本能的直感的能力を持っていると考えられます。人間は動物本能というものを持っており、動物が生き残るために敵と味方を瞬時に見分ける能力を持って今まで生き残ってきたということです。

 

<※>あの宮本武蔵も・・・

 

 実は宮本武蔵も究極の目標は「生き残る」ことにありました。とにかく生き残るために何をすべきかを朝から晩まで考え抜いて、あれだけの敵に囲まれながらも人生を終わるまで勝負に勝ち抜いて、目標である「生き残ること」を達成したのです。

 

 

 企業も究極の目標は生き残ることにあります。従って新しくその会社に参加する者が会社を生き残らせる力を持った人材か、滅ぼす要因を持った人材かを速やかに見分けながら選考を進めることになります。企業の存続は人材選抜にかかっているのです。

 

長く続く会社と破綻する会社

 会社の永続性は、この「生き残るための人材」をしっかり持った会社かどうかで決まるのです。この点をよく理解して人材採用を進めている会社は生き残る確率は高いのですが、どんな大企業でも中小企業でも、この点を把握していない会社は、結局は人材問題で窮地に陥ることになるのです。東芝、東京電力、三菱自動車等の有名な大企業でも経営者、幹部の問題で致命的な問題が発生して危急存亡の危機にさらされたわけですが、人材の問題が一因であるのは間違いありません。

 

 会社にとって、素晴らしい人材の条件は、会社をさらに発展させ、問題を解決していき、いつまでもその企業を存続させる人材なのです。その意味で採用側からの目線で言えば、応募者が当該企業の存続発展に寄与できる人物かを判定することが大切ということになります。面接する側も相当の見識能力を持った人間が面接官になっていなければ判断できないような難しくかつ重大な判断も数多くあるわけです

 

 そこで応募者は面接官にどう立ち向かえば、面接官の心を射止めることができるか。そこが問題ですが、実は熟練した面接官は動物的直感的に瞬時に見分けるのです。応募者もその直感的・動物的な目に対応できるように敵を知り、己を知り、よく研究し、練習を重ね、瞬時に能力を判断されても絶対に問題がないように、自分自身のPRを用意しておく必要があります。

 

 まさにそのためのポイントが、この「絶対に採用面接に成功するための準備術」シリーズ1から5なのです。この5つを理解した上で練習を重ねて情熱と自信を持って面接に臨んで下さい。特に最終回の今回のポイントである「積極可能思考を身につけ絶対に落ちないという信念を持つこと」は非常に重要です。

 

「積極的思考」とは?

 前置きが長くなりましたがシリーズ5の本題である「積極可能思考」についてです。

 

 どんなに学歴が高く、優秀な能力や資格を持っていても、「面魂(つらだましい)」(※強い気持ちが体現された顔つき)には勝てません。「私を選ばなければ御社の将来はございません」「私こそ御社を発展させる原動力となる人材であることは間違いありません」というように面接官全員に印象付けるような状態に自分を高め切って面接に来た転職者を、面接官は候補から除外しにくいものです。

 

 「積極可能思考」とは、とにかく「私は積極的でどんなことにも挑戦しつづける人間です」と思っているか、「どんな困難な事でも『できる』という信念で立ち向かっていく人間です」と思っているか、という思い方・考え方等に現れる「精神的態度」です。

 

 もちろんスーパーマンのような事を期待しているわけではありませんが、何事にもチャレンジしていくとか「なんとかする」というような考え方を面接側は求めています。面接前に自分の心構えを確認して、自分の人生観を振り返り、自分をリフレッシュして、少なくとも積極可能思考の人間に見えるような自分にして面接に臨むべきです。面接官は明らかに非積極的で自信のない応募者を嫌うのです。

 

<※>私の転職の経験談

 

 私は今まで人事部長としての転職だけしか経験がございません。そして全て外資で面接は本社のトップと本国でほぼ面接を英語でやってまいりましたが、お陰様で一度も落ちたことはなく、必ず合格して、それぞれの会社で人事の最高幹部としてキャリアを積みました。

 

 私のキャリア目標は、将来グローバル企業で人事の幹部を経験をして独立することでしたので、今振り返ると結果的にその通りになり、グローバル人事のコンサルタントとして20年以上あらゆるタイプの企業で人材育成の経験を積んで、今は独立できました。

 

 私は自分のキャリアを積む中で常に「積極可能思考」を意識してきました。自分自身が信念を持ち、自信と情熱を持って、自己の長期的目標をしっかり持って、世のため人の為に絶対に貢献するのだ、これから参加する企業の大黒柱になるのだというような強い積極可能な思考をしっかり磨いて面接に臨んできました。その結果今までのキャリアに繋がったと思います。

 

 

 「積極可能思考」を持たずに、単に不満不平で転職を考えている人はカニの横ばいのように決してその企業を発展させないばかりか、自分自身の発展もありません。現在の会社の問題解決に日々精進し、ダメな会社を良くした体験を積んでより素晴らしい会社に挑戦していくというキャリアデザインを頭にしっかり描きながら転職を考えた方がよろしいと考えます。

 

 世の中に何も問題ない素晴らしい会社はどこにもありません。問題があるから、問題解決をしてくれる可能性のある人材を探そうとしているのです。転職を考えるのであれば、自分を高めてくれる会社を選んで挑戦すべきです。それはとりもなおさず問題の多い会社であり、そこに身を投じて問題解決をするプロセスで自分が磨かれ、そして評価され、給与も上がり、自己の豊かさに繋がっていくのです。

 

 

この記事のまとめ

 転職はテクニックで制覇できるものではありません。人間力が勝負です。転職とはただ内定を勝ち取るゲームではなく、所属する企業を発展させ、自己を発展させる原動力になってこそ成功と言えます。毎日毎日自己を鍛えていくうちに素晴らしい転職の機会に出会えると私は思います。 そのためにも「積極可能思考」の必要性は忘れないでください。

 

 元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズは今回で第五弾になり一旦最終章となります。次回からは「外資採用判断基準についてのコラム」をスタートさせていく予定です。外資系での人事経験を活かした内容のあるコラムを目指していきますので引き続きよろしくお願い致します。

 

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ライター

又村紘人事管理職歴20年のキャリアで自身の書籍も多数

元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ

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現在:有限会社ヒューマンマネジメント研究所 代表取締役社長

経歴:日本アイビーエムに在籍中本社採用センター統括責任者として数千人の採用を指揮、全数確保の原動力になる。その後スカウトされ BMWジャパン初代人事部長(ドイツ)、日本サンマイクロシステムズ取締役総務本部長(アメリカ)、エアーリキード(株)人材部長(フランス)デル ジャパン 初代人事ディレクター等を歴任採用の最終責任者として活躍。その後世界に通用するビジネスパーソン育成を目標に特にディベート、プレゼンテーション、会議術、リーダーシップ、マネジメント能力強化研修講師としての活動に20年ほど従事、参加者は数万人を超え、現在も現役で活動中。自身のグローバル企業における人事管理職としての多様な経験と自身の転職キャリア形成体験,様々な企業での研修講師としての体験からできる限り現場に近いアドバイスを目標に転職成功のためのコラムを提供する。

(著書

敵を味方に変える人間術 (東洋経済新報社)

人生リエンジニアリングのすすめ(日新報道)

男の知的武装術(太陽企画出版)

転機を飛躍に変える70の法則(講談社)

英会話この順番でやればムリなく話せる(三笠書房)

究極の自己アピール術『あぼひなまの法則』(日新報道)

(訳書

願望は必ず達成できる。ロバート・シュラー著(PHP研究所)

成功の時は今(日本教文社)ジャック・アディントン著

人生が面白くなる心理学(日本教文社)ジャック・アディントン

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