前回までの記事で以下についてご説明させて頂きました。
今回は「目標意識をしっかりもち自己のキャリアプランをしっかり確立すること」についてです。採用面接に成功するには「目標意識が明確で自己のキャリアプランがしっかりできている人」が合格の確率が高くなります。今回はこのポイントについてご説明いたします。
「なぜあなたは転職したいのですか」と問われたら?
早速ですが「なぜあなたは転職したいのですか?」と問われてどのようにお答えになりますか?
転職を考えた理由は必ずと言っていいほど聞かれる質問です。ここでしどろもどろになると先に進みません。転職の理由には色々ありますが、2016年4月~9月にDODAで転職活動を行った30,000人に調査した転職の理由には下記のような理由が挙げられています。
面接担当者から言えることは、現在の会社に対しての不満等が理由で転職を考えている方は評価しにくいということです。採用面接をする会社がなぜ採用活動をするかの理由は以下などがあります。
- (1)欠員ができてその機会に今まで以上に能力の高いあるいは同等の社員で補充したい場合
- (2)新しい部門が出来て新たに優秀な社員が必要になった場合
- (3)会社が出来たばかりの会社で全て新人を採用しなければならない場合
どの場合でも中途入社採用の場合は求めるポジションの職務に対して即戦力になるような資格、経験、知識、能力の面で確信ができる人材しか採用されません。(※第二新卒枠など一部例外もありますが。)
例えば経理の担当者を探している場合は入社したその日から遅滞なく経理処理をスムーズに遂行できる能力が必要になるのです。人事担当者を採用する場合は、入社したその日から採用活動なり、給与のオペレーション、社会保険の処理等が全てできるとか、もし営業部長としてのポジションであればすぐに営業成績を上げられるかというように、中途入社というのは即戦力となるプロフェッショナルの採用と言い換えられるのです。従って現在働いている会社にただ不満があるから転職するというのでは採用される確率はかなり低くなるわけです。
転職では、今まで磨いて来た職務遂行能力が問われることになります。という事は、普段から自己のキャリアプランを明確に定め、自己のスペシャリティーを徹底的に磨いておく必要があります。(ちなみに私は自己のキャリアプランとしてグローバルビジネスにおける人事のプロを目指してキャリア形成をしてまいりました。人事のプロとしてアメリカ、フランス、ドイツの企業の人事幹部を務めさせていただき、その後コンサルタントとして独立して現在に至っています。)
今回のテーマに関して、面接官があなたに聞くであろう質問には「あなたの人生目標は何ですか?」「私どもの会社の目標はご存知ですか?」などがあるでしょう。このような質問に対して、目標やキャリアに関してのしっかりした考えのない人の答えは、「なんでもやります」「一生懸命やります」 「みなさんにご迷惑をおかけしないようにします」「特に目標は持っておりません」等のようになります。あなたはいかがでしょうか?もし皆さんが面接官でしたら、そのような応募者を採用するでしょうか?
ぜひ以上のことをよく考えて想定問答集を作り練習した上で面接に臨んでください。個人的には実際にビデオを撮りながら練習を重ねられることをオススメします。絶対にぶっつけ本番はやめてください。そのような行為はお互いに無駄であり、あなたは自信をなくしていくだけで、その後の面接にも悪い影響を与えることになります。絶対に失敗するはずがないと思えるほどに研究・練習をした上で失敗した場合に気づくことは多いものですが、ろくに研究・練習もせずに得た体験はその後も失敗の確率を高めるだけに終わり、自分で成功のためのヒントに気づくことはないでしょう。
この記事のまとめ
目標意識の低い人は、入社してからも問題解決に立ち向かう姿勢が弱い人が多く、ただ周囲の言うことを聞いているだけになりがちです。結果的に周囲から評価される事が少ないのが現状で、入社しても長くは続かないケースが多いと考えられます。もし入社して目標意識が弱い社員ばかりの職場であれば、目標意識の高い人はすぐにリーダーシップを発揮し、入社した当初から周囲に期待され業績を上げていく可能性が高い人と考えられます。
従って今回は、目標意識の重要性、そして入社してから自分自身どのようなキャリアを積んでいきたいのかの方向性を明確にして面接に臨むことの優位性についてご説明致しました。ぜひこの点をよく理解し、ご自身の考えを面接できちんと説明できるようにすることをオススメします。
次回は、元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ5ということで、「積極可能思考を身につけ絶対に落ちないという信念を持つこと」についてご説明いたします。ご成功を祈っております。
又村紘人事管理職歴20年のキャリアで自身の書籍も多数
元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ
現在:有限会社ヒューマンマネジメント研究所 代表取締役社長
経歴:日本アイビーエムに在籍中本社採用センター統括責任者として数千人の採用を指揮、全数確保の原動力になる。その後スカウトされ BMWジャパン初代人事部長(ドイツ)、日本サンマイクロシステムズ取締役総務本部長(アメリカ)、エアーリキード(株)人材部長(フランス)デル ジャパン 初代人事ディレクター等を歴任採用の最終責任者として活躍。その後世界に通用するビジネスパーソン育成を目標に特にディベート、プレゼンテーション、会議術、リーダーシップ、マネジメント能力強化研修講師としての活動に20年ほど従事、参加者は数万人を超え、現在も現役で活動中。自身のグローバル企業における人事管理職としての多様な経験と自身の転職キャリア形成体験,様々な企業での研修講師としての体験からできる限り現場に近いアドバイスを目標に転職成功のためのコラムを提供する。
(著書)
敵を味方に変える人間術 (東洋経済新報社)
人生リエンジニアリングのすすめ(日新報道)
男の知的武装術(太陽企画出版)
転機を飛躍に変える70の法則(講談社)
英会話この順番でやればムリなく話せる(三笠書房)
究極の自己アピール術『あぼひなまの法則』(日新報道)
(訳書)
願望は必ず達成できる。ロバート・シュラー著(PHP研究所)
成功の時は今(日本教文社)ジャック・アディントン著
人生が面白くなる心理学(日本教文社)ジャック・アディントン