定年退職後の「再就職」で気をつけること

ライター:工藤崇

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 平均寿命が長くなり、比例して「現役世代」が長くなっています。定年後に再就職で会社勤めで働く方もいれば、全く違う業界で起業をされる方もいます。「生涯現役世代」という言葉も浸透してきました。

 

 さて今回は、このような、定年退職後の「再就職」を、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から分析しましょう(※なお当記事では、定年を一般的な「60歳」と仮定したうえでそれぞれの状況をお伝えします)。

 

老齢年金は「繰り上げて」受け取ることが可能

 まず、65歳から受け取る老齢年金についてです。受取人が希望すると、公的年金は60歳から繰り上げて受給することができます。ただし、繰り上げた年数によって受け取る年金額は減額され、その後は一生涯にわたって減額した年金額を受け取ることになります。また、全部の年金額を繰り上げる方法と、一部を繰り上げる方法があります。

 

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20150313.html (日本年金機構のHPより)

 

 また、繰り上げと同様に「老齢年金の繰り下げ」も申請することができます。この場合、所定の計算式によって年金額は増額され、繰り上げた場合と同じく一生涯にわたって継続することになります。

 

 定年退職後に再就職された場合は、現役世代(60歳まで)との収入のギャップに年金の繰り上げを考える方がいる一方で、敢えて年金受給を後回しにしたいというニーズも生まれてきます。この時に、繰り上げ受給と繰り下げ需給を活用することで、「老後資金」をやりくりすることが可能になります。

 

 ただし、この時に注意したいのが、「在職老齢年金」です。次の項目で解説します。

 

在職老齢年金とは?

 在職老齢年金は、年金支給対象年齢でも厚生年金保険に加入している場合、老齢年金の一部が減額される仕組みです。在職老齢年金は、受取人が「60歳以上65歳未満の場合」と、「65歳以上の場合」によって、計算式が異なります。

 

  • (1)60歳以上65歳未満の在職老齢年金

 60歳以上65歳未満で、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受けるときは、基本月額と総報酬月額相当額に応じ、年金額の全部または一部が停止します。

 

 (※以下は記事執筆段階での情報としてご参考下さい。最新情報は日本年金機構のHPを参照されることをお勧めします。)

 

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合

支給停止額=0円(全額支給)

基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下の場合

支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2×12

基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき

支給停止額={(47万円+基本月額-28万円)×1/2+

(総報酬月額相当額-47万円}×12

基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円以下の場合

支給停止額=総報酬月額相当額×1/2×12

基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき

支給停止額={47万円×1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12

  • (2)65歳以降の在職老齢年金

基本月額と総報酬月額が47万円以下

支給停止額=0円(全額支給)

基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えるとき

支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)×1/2×12

 

住民税の基準は「前年度の所得」

 一般的に再就職は、年次ごとに給与水準の変動が著しい環境のものです。ここで注意すべきなのが「住民税」の算出方法です。居住地によっては都民税や府民税などという名称の場合もありますが本稿では住民税で統一します。

 

 この住民税、算出基準は毎年1月1日に、その前年の1月1日-12月31日までの1年間の所得に対して課税されます。なお、会社員や公務員の方は年末調整の時期に発行される源泉徴収票にもとづいて住民税が算出されます。

 

 たとえば前年に定年退職を迎えたとしましょう。翌年に再就職で提示収入は確保できたとしても、前年と比べて額が低下したとすると、住民税の負担は大きく圧し掛かります。この点は注意が必要です。

 

 

今回の記事のまとめ

 定年退職後の「再就職」で気をつけることとして代表的な、在職老齢年金と住民税についてお伝えしました。どちらも実際に適用対象となってからその場凌ぎな対策は難しく、貯蓄などによる長期的な対応が必要なものです。まずは「こういう制度がある」と情報を蓄えておくことが大切です。

 

 とりわけ在職老齢年金の計算式は一見複雑なものですが、実際のところは社労士などの専門家に依頼しなくても計算できるものです。再就職を打診された際は、自身の在職老齢年金を計算する習慣をつけて、新しいチャレンジの周辺環境を整備するようにしましょう。

 

ライター

工藤崇丸の内に本社を構えるFP会社の代表取締役社長

「FP会社社長が語るライフプランと転職」シリーズ

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丸の内に本社を構えるFP会社株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。1982年北海道出身。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、FP領域を活用してFintechビジネスを開始・発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。資格予備校である株式会社TAC出身のため、資格ビジネス、人材キャリアビジネスにも精通。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。株式会社FP-MYS公式ホームページ(http://fp-mys.com/

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