40代転職シリーズ(2)40代の転職成功の戦略

ライター:菊本健司

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 転職準備で、現職での仕事の棚卸やアピールポイントの整理を入念に行って職務経歴書や履歴書・面接などでバッチリアピール出来き、内定の手ごたえをびんびん感じていても“いざ”ふたを開けてみればお祈りメール(不採用の今後の活躍をお祈りするというメール)ばかり。という現状打開を相談に来られる方がいらっしゃいます。

 

 この現象は、転職準備が納得のいくまで出来た方や、素晴らしいビジネスキャリアをお持ちで転職にある程度自信を持っている方に多くみられる現象で、いわば“40代転職の独特の罠”と言っても過言ではないものです。

 

 今回は、40代の転職ではこの罠を逃れるための戦略が重要というお話を紹介してみたいと思います。手ごたえがあるのに転職が上手く行かない方は是非参考にしてみてください。

 

マネジメントやリーダーシップの優秀さのみをアピールしない

 まず1つ質問です。

 

  • 「あなたの最終面接に社長とあなたの直属の上司が同席したとします。あなたはどちらを意識して自分のキャリアを伝えて行きますか?」

 大半の方(特に転職準備が出来た方や転職に自信がある方)が社長と回答されますが、この様な面接形態の場合は、直属の上司の方への配慮も非常に重要になることを認識しておきましょう。

 

 企業はあなたの採用に関して業務遂行能力を確認する為、入社しても、現職と同等か少し下の役職、または管理する直属の上司を置くなど“様子見をする場合”が多々あります。

 

 この様な場合、40代の転職での必須条件であるかのごとくホームページなどで紹介されているマネジメント能力や、リーダーシップばかり強調したアピールでは、社長は頼もしく感じても、実際にあなたを管理する直属の上司はあなたに対して“扱いづらいのでは?”という印象を持ちかねません。

 

 その場合、社長の目的は「現在のチームに浸透して力を発揮してほしい。」というものですので、実際の採用権は直属の上司が持っている場合が多いのです。

 

 私も現在部長職ですが、面接をした際に余程強く“この人は良い”“会社に必要な人材”という印象を持てない限り、部下が「扱う自信がない」と言えば採用には慎重になります。

 

<※私の失敗談>

 

 私も社長に向かって転職活動をしていて失敗した時期があります。私が35歳を過ぎたころの転職活動で面接する企業全てで手ごたえを感じているのに結果は、落ちるという時期がありました。

 

 私は28歳くらいから転職活動を始めているので35歳でちょうど7年。職務経歴書も練りに練り上げられて面接には必ず進み、社長面談でも社長から「是非、当社に来たまえ・・・。入社はいつにする?」と、言われた企業も何社もあるのに結果は全て落ちてしまったのです。そんな状態が続くとさすがに凹(へこ)んでしまいます。

 

 ある面接の時、社長が途中で中座され、統括部長(私は課長待遇で迎えるとの事でした)と2人になった時の事です。部長は「あなたのマネジメントやリーダーシップのアピールを聞いていると、あなたをうまくコントロールできるか不安になってきました」と笑いながら言われたのです。(今考えると目は笑っていなかったような・・・。)

 

 部長は私よりも年下でしかも女性。確かに彼女の立場を自分に置き換えてみても年上のキャリアやリーダーシップばかり言っている私は扱いにくいと感じました。それが40代転職の罠に気がついた瞬間です。

 

 

40代の転職戦略とは?

 転職の際に同席した直属の上司が自分より年上か年下か、女性か男性かによって少しアピールのバランスを考えたり、エピソードを工夫してみるなど、面接時には特にその場に応じた配慮が重要になります。

 

 現在の40代転職者に求められるプレーイングマネージャー的なエピソードを紹介することも勿論加味しながら、マネジメントやリーダーシップのアピールに終始するのではなく、チームに溶け込むような工夫についてのエピソードや指示命令について、または、報告・連絡・相談などチームを円滑に回すビジネスコミュニケーションの重要性を理解している事などをアピールするようにして、直属の上司に安心感を与える事も必要なのです。

 

 また、面接の際にはあまり年齢を意識してもいけませんが、敬語を丁寧に使いコミュニケーションを積極的に取るようにすることも重要です。“知らないことなどが素直に聞けない。”なんて言う事も無いように注意をするよう認識しておきましょう。

 

今回の記事のまとめ

 転職の面接時に直属の上司が同席(あるいは直属の上司のみ)した場合、直属の上司にも配慮をすることが重要になります。

 

 その場合、自分のマネジメントスキルやリーダーシップなどのエピソード紹介(アピール)に終始するのではなく、チームに溶けこむことの重要性やチームを円滑に回す事、報告・連絡・相談などのビジネスコミュニケーションの重要性などを加味してアピールしてみる事をお勧めします。

 

 また、40代の転職となると上司が自分よりの年下、上司が女性など配慮する要因が面接に応じて変わる事が多々あります。臨機応変に対応できるように転職準備の段階からその事を頭において準備をすることが重要になります。

 

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ライター

菊本健司IT系上場企業の現役採用責任者

「現役の採用責任者が語る転職のいろは」シリーズ

kikumoto

 

地方のIT上場企業で現役採用責任者(部長職)で年間200名以上の採用を行う傍ら、就活セミナーの講師などを兼務。就職活動をグローバルにとらえ、3つの節目「1.内定を取る」「2.就職した企業で正社員を維持・正社員のまま転職(あるいは、再雇用・正社員化)」「3.再雇用などセカンドステージに備える」においての”より良いキャリアアップ”をどの様に行っていくかを自身の経験や体験を交えて大学生、専門学校生、職業訓練校生やキャリアアップ研修受講生若者再チャレンジ対称者(再雇用・正社員化・転職)等に伝える活動を展開中。

採用担当者ゆえに企業(採用側)の事、学生の事、面接を中心とした就活テクニックの今、が分かる事を強みに、一般的なキャリアメイク講座とは一味違う、役に立つアドバイス(セミナー)を実践することがモットー。

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