転職を探していたところ、薬剤師の仕事に「医薬品卸」があるということを知りました。
せっかく薬剤師の免許を取ったのに、病院や薬局でなく、医薬品卸を選ぶ薬剤師さんがい るということにびっくりしたのですが、医薬品卸の薬剤師の良い点ってなんですか?
逆に悪い点についてもあわせて教えてください。
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1件の回答
調剤薬局での仕事を経験した後、医薬品卸に転職した薬剤師です。
たしかに全薬剤師の中でも医薬品卸に勤める薬剤師はほんのわずかなので、かなりレアな存在ですよね。同窓会に参加しても「卸って薬剤師がいるの?」とか「卸の薬剤師って何やってるの?」とはよく聞かれます。個人的な感じ方になるかもしれませんが、私なりに感じた「良い点」、「悪い点」を挙げてみますね。
「良い点」
・勤務条件が良い
企業での勤務になるので、基本は土日休みの場合がほとんどです。
また、職場の環境にもよりますが、勤務時間も夕方で終わるところがほとんどで、残業も少なめかと思います。有給休暇も比較的とりやすいので、勤務時間に関する条件は良いと思います。
・人間関係が良い
以前に勤めていた調剤薬局は、薬剤師と調剤事務がほとんど女性で、人数も少なく、女同士の人間関係にかなり気をつかいました。
それに比べて、医薬品卸の支店管理薬剤師であれば、一緒に仕事をするのはMSと呼ばれる営業担当者で男性がほとんど。女性の事務員さんもいますが、調剤薬局のような狭い環境ではありません。
調剤薬局で、比較的女性の多い環境で仕事をしてきた私にとっては、かなりさばけた状況で、とっても仕事はやりやすいです。
・責任の重みが違う
病院・調剤薬局では、薬の調剤過誤があると、すぐ患者さんに影響が出ます。医薬品卸でも薬を扱っている以上、間違いがあると患者さんに影響があることに違いはないのですが、「卸→医療機関(または薬局)→患者さん」という間にワンクッションがあることで、責任の重みが少し違っているように思います。
・ルーチン業務なので、仕事の予定が立てやすい
仕事の内容がほとんどルーチン業務なので、計画を立てて仕事をしていくのが可能です。病院や調剤薬局のように、いつ仕事が終われるかわからないということは、ほとんどありません。
「悪い点」
・お給料が安い
土日休みで時間もきっちりしている、また仕事も比較的楽なので、当然なのですがお給料はあまりよくありません。ただ、条件面や精神的な負担を考えれば、妥当な線かもしれません。
・周りが営業なので、薬に関する認識に差がある
調剤薬局でも、経営者が薬剤師でない場合、理解してもらえないこともあるかと思います。
医薬品卸の支店に勤めた場合は、100%上司は営業担当の責任者である支店長です。このため、薬剤師が思う薬と上司が思う薬(どちらかというと商品の認識)に違いがあることもあり、ここでジレンマに陥ることもあります。
・臨床に疎くなる
直接患者さんに接することがないので、実際に薬が使用される臨床の現場情報に疎くなる場合があります。勉強することでカバーできる部分もありますが、やはり患者さんの生の声を聞ける病院薬剤師や薬局薬剤師と比べると経験は不足してますね・・・
・仕事が理解されにくい
医薬品卸に勤める薬剤師は少ないので、何をやっている人かわからない・・なんて言われるのがつらいところです。
良い点・悪い点ともにとらえ方しだいというところもありますね。ルーチン業務ばっかりなので、楽だとの考え方もある一方、仕事に面白みがないと感じる人もいるようです。
また卸の薬剤師には知識不足の分野がたくさんあるので、研修会に参加するなどして皆さん勉強されています。
薬剤師にもいろんな業種があるっていうこと、もっと世間に知れ渡るようになるといいのですが。