私は大塚製薬の勤務経験者です。
現在、国内の製薬業界では、海外の大手製薬会社の市場参入のために厳しい戦いをしいられています。国内の製薬会社の多くは合併などをして(例えば協和発酵工業とキリンファーマのように合併して協和発酵キリンとなるなど)、研究開発力の競争力強化をはかっています。
しかし、外資系製薬会社の能力至上主義と比較して、国内の製薬会社の多くでは、以前よりましになったとはいえ、年功序列制度が依然存在し、若い研究者の意見が取り上げられない、重要視されないなどの弱点があり、この点が解消されない限りは、外資系の製薬会社に勝つことはできないと思っています。
そこで皆さんの意見を聞きたいのですが国内の製薬会社の将来性をどう思いますか?
業界経験者の方、レスをお願いします。
質問
国内の製薬会社の将来性をどう思いますか?748view
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回答
2件の回答
基礎研究をすることを放棄または縮小し、利益に直結する研究のみを行ってきた国内の製薬会社は、基礎研究を行っていない分、他社に対する強みがなく、また製品化に時間がかかれば特許期間を有効に生かせず、すぐにジェネリック製薬会社に市場参入を許すことになり、新薬の研究開発費を考慮に入れれば、ほとんど利益を得ることができなくなります。
一方、ジェネリック製薬会社は、国の医療費削減の追い風を受け薬価が低下することは日本国として、歓迎されています。またCMなどで同等の薬効を有する価格の安いジェネリック製薬のことが患者が多く知れわたり、調剤薬局などであえてジェネリック医薬品を指定する患者も増えています。
これらの点で、近年ジェネリック製薬会社は躍進を続けており、国の方針等が変わらない限りこの躍進は続くでしょう。一般に、新薬を開発する製薬会社は、ジェネリック製薬会社を、「他人のふんどしですもうを取る」と、格下に見ていましたが、その売り上げは、どんどんと上がっています。
また、ジェネリック製薬会社へ転職する場合、新薬を開発している製薬会社と比較して、学歴等のハードルなどは、ずいぶん低く、中途採用などでは合格しやすいです。
話はそれましたが、新薬を開発する国内の製薬会社は、その会社自体の強みが少ないところが多く、かといって、膨大な新薬の研究開発費のため、薬価を安くすることもできないため、外資系製薬会社やジェネリック製薬会社に対して、現在も、将来も苦戦をしいられると予想されています。
中外製薬の勤務経験者です。
現在、日本の国内市場においても、売り上げランキングの上位を占める製品は、外資系製薬会社の製品、または外資系製薬会社から導入した製品が多く、日本の製薬会社の製品の数は少なくなってきています。
日本で第一位の売り上げを持つ武田薬品工業でさえ、全世界的に見れば、その売上高は17位(2015年)に過ぎず、現在では、海外の製薬会社が黒船来襲のように、日本の市場に押し寄せてきている現状では、日本の製薬会社は、かなり苦戦をしいられています。
この流れは今後も続くのではないでしょうか。
働くものとしての意見を一言。
外資系製薬会社では、年功序列より、能力・成果至上主義をとっているところが多く、能力のない人や成果をあげられない人にとっては、厳しい職種です。また、日本の製薬会社と異なり、解雇されやすい可能性も高いです。ただし、能力の高い若い人にとっては、外資系の製薬会社に転職することは、高い収入を得られる近道になります。
この点から、現在の職場で、能力に見合った収入を得ていないと感じる人は、外資系の製薬会社への転職を考えることも良いと思いますが、私は日系は日系なりのよさもあると思いますのでまだこの会社で働いていく予定です。また業界の情勢が変わったら転職も含め検討しようと思っています。