近年、弁護士数がかなり増えていると聞きますが、今後の法律事務所の動向はいかがなものでしょうか?
弁護士さん同士、あるいは法律事務所同士の競争も激しくなっていくのでしょうか?
法律事務所の秘書として転職を考えていますが、業界の先が見通せず、転職すべきか悩んでいます。
よろしくお願いします。
質問
法律事務所の今後の動向について503view
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回答
2件の回答
弁護士同士だけでなく、他の士業との競争も出てきています。
認定司法書士は示談交渉権や簡易裁判所の訴訟代理権を持つようになったので、案件によっては弁護士の力を借りずとも法律業務を行えるのです。
だいたいの債務整理案件も司法書士でできてしまいます。
(ただ、ここ数年、大量に発生していた過払い金請求の案件はもはやピークを過ぎ、今後はほとんどなくなる見込みのため、これを仕事の柱としてきた法律事務所や司法事務所は転換を求められるか、衰退していくはずです。)
司法書士の方が弁護士よりも身近に感じられるというクライアントは多く、受任料金も司法書士の方が安いため、司法書士を選ぶ人も増えるかもしれません。
クライアントにとって、弁護士が親しみのある存在になれるかどうかが重要だと思います。
弁護士と司法書士の仕事の境界線が今までよりも緩くなった以上、弁護士はより高いサービスを提供していくか、弁護士にしかできない仕事を追求していくかを選択する必要があるかもしれませんね。
ひと昔前は、こちらが仕事を探さにいかなくても、お客さんの方から助けを求めて法律事務所に来てくれたものでした。お客さんのそのまた知り合いといった具合で、人脈をもとにお客さんは増えていったものです。つてがないお客さんの仕事は受任しないという弁護士もいたほどです。
(信頼関係のないお客さんからの仕事はリスクもあるためです。)
でも、今はそのような時代ではなくなっています。弁護士がお客さんを選ぶのではなく、お客さんが弁護士を選ぶ時代になりました。法律事務所がどんどん法人化していき、大手や中規模の法律事務所ができるようになりました。弁護士による広告宣伝が解禁されるようになり、CMや広告を出して集客をかける法律事務所も出てきています。
昔と比べたら、お客さんとしては法律事務所の敷居が低くなって利用しやすくなっているかもしれません。でも、小規模の法律事務所は競争の波に巻き込まれて、淘汰されていくようになるでしょう。
競争に勝つために、どの事務所も弁護士料金を引き下げる傾向にあるので、決して弁護士もみんながみんなお金持ちとは限らないと思います。事務所のスタッフの給料も、ひと昔前よりは抑え気味になっているはずです。
プライドの高い弁護士だと、宣伝など利用して営業をかけるような仕事の仕方は、弁護士のあるべき姿ではないという人もいます。
ただ、弁護士業界もサービス業の一つとして見られ始めている以上、新しいやり方を模索すべきではないかと私は思っています。